Ceramic moon Plastic stars

大体漫画とかアニメの感想を書いてます。こう、妄想が溢れそうになった時の受け皿としても活用。

ガルパンはいいぞ、と叫びたいだけの人生…ではないのだけど。

友達が「観て損はない」というし、ちょうど昨日から封切りだったし、多分このタイミング(連休)を逃すと観に行く事はなさそう…ということで観に行ってきました。片道1時間半、レイトショーで映画館出たのは日付変更後。

というわけで感想など(ネタバレはなるべく控えるつもりですが、保障はないので観に行く人は以下読まないでください)。

で。

ガルパンはいいぞ」とはあえて言いません。

そのわけの一つ目。
OVA版はおろかTV版すら未視聴、更にはろくな事前情報もない。知っているのは「操縦席周りには特殊カーボンが貼られているから、実弾が当たっても大丈夫!」って事くらい。そんなニワカ以前の人間がドヤ顔で語るのもなんだかなぁ、と思う事。
更にもう一つ、観終わった後の「これは語らねば!」という衝動は「心が叫びたがっているんだ。」の方が強かったから。
確かに面白いけど、それを声高に語る・表明するのはどうかなぁという心境だからです。

実際、色々ツッコミどころはあるんですよねぇ。
いかにカーボンがあってもキューポラから身を乗り出してたら直撃どうのこうの。慣性は存在してるから3回も転がればどうのこうの。弾薬の搭載数ってどうのこうの。シャーマンの前面装甲よりスカートの方がどうのこうの…。

…ってのはもうどうでもいいんだな、っていうのは開始5分(くらい?)で悟れますw

なのでこの辺のツッコミをスルーすれば、本当に良くできた映画でした。
とにかく、製作サイドが何をしたいかが明確になってて、ぶれない。
ただひたすら戦車をかっこよく描きたい。戦車で出来る事を全部やりたい。そしてそれを女子高生達がエンジョイしてるところを描きたい。
不要な所を削ぎ落とし、描きたいところ、見せたいところだけに焦点を当ててるので全く中だるみがありません。2時間越えのフィルムが見所ばかり。…だから正直疲れます(苦笑)。
※余談ですが、夜になると目が霞む歳になりまして…画面の動きを追うのが結構大変でした(くしょう)。

今回の話、脚本としては「ガルパンオールスター大決戦」。
これまで出てきたキャラクター・戦車を全員・全車出して大戦車戦をやろう! …これで全てです。
それをやるハメになった事情や導入すら最小限。割と急転直下の展開で「えええええ」って感じにもなりますが、これまたどうでもいいw そこをチマチマやるくらいなら装填シーケンスや作戦相談シーンを増やすわ!! って姿勢が潔く、清々しい気分になりますw

その結果、上映時間の8割近く(体感。ソース不明)が戦車戦という時間配分。戦車を降りてやってるやり取りなんて微々たるもんですw

で。

つまりはその戦車戦が楽しい。
戦車の重量感、駆動音、砲撃音、弾丸の飛来音、直後に装甲ではじき返される音と衝撃、そして貫通…そのどれもが迫力と臨場感に満ちています。
特に男の子としては、超重量の鉄と超高速の鉄が衝突する感じが実にたまりません。戦車強い。
そしてこの作品(の戦車戦)の特筆すべき所としては、戦車を単なる移動砲台として描いていないという点。
「この戦車ならこんな事ができるはず! こんなこともできるはず!!」とばかりに無茶な挙動をやらかしてるのが楽しい。やれる事はなんでもやる! その姿勢が素晴らしい!

おいおい、ってツッコミたくなるのも事実でしたがw

そして当然、戦車だけでなくそれを駆る女子達も魅力的。
先に挙げたようにオールスターですから、かなりの人数のキャラが登場しますが、驚くべき事にほぼ全てのキャラに見せ場があります。何かしら活躍するのです。セリフ1つしゃべって終了、ってわけじゃないのです。
折角登場してるんだし当たり前じゃないか、と思われがちですが、何気にこれができない作品はかなりあります。…あれやこれやそれや…。そういう作品を作ってる方には是非観てほしいですねぇ、ガルパン。「オールスターってのはこうやるんだ!」という気概に満ち満ちています。

個人的にはカチューシャ、アンチョビが良かったですね。
生意気ロリ、バ…陽気なイタリア娘のノリが非常に楽しい。
…と言いつつ、イチオシはまほ姉。
そもそもルックスが好みの上に、クール姉と見せかけて実は…ってのが素晴らしい。
みほとの描写も(他と比べると)多かったですが、何よりクライマックスのアイコンタクトに二人の関係性が現れてて実によかった…そしてだからこそまほ姉ちゃん萌え。


と。こんな感じ。
冒頭で「語ることはない」と述べましたが、こうして思い返していると、あの賑やかな感じはやはり好きでした。良い意味でやりたい放題、楽しさ重視って感じが。
確かに劇場で観る価値がある1作だったと思います。

 

…ただなぁ…ホントに劇場遠いのがなぁ…orz