理想と現実(あるいは建前と本音)
義実提督、2014年5月17日 フタサンマルイチ、第一艦隊に大破進軍を命ず―
いやもう、マジで肝冷やしましたわ。出撃して緒戦で伊58が大破。無理して進軍しなきゃならないマップでもないので、さっさと撤退して入渠、がセオリーなのですが。
本当に、本当にちょっとした操作ミスで「撤退」ではなく「進軍」を選択してしまったのです。
その瞬間、「うぁっ」って声が漏れる。…ヤバい。やってしまった。
しかし、次のマスが戦闘マスではなくボーキサイトマスだと気づき、かろうじて平静を保ちます。もう一度羅針盤を回して戦闘マスを回避できれば、無事に鎮守府へ戻る事ができる…(2-2)。
ですが、大破進軍という愚を犯した提督に情状酌量するほど運命の女神は甘くありません。悲壮な希望は打ち砕かれ、艦隊は戦闘マスへと突入したのでした。
無情にも表示される陣形選択画面。が、そこで操作をストップ。瞬間的に「陣形を選んではいけない」、と判断したのです。
確証はありませんが、このゲームのシステム・ブラウザゲームとしての性質から「プレイヤーの最終決定が行われた瞬間に戦闘の判定が行われ、結果が確定する」と考えられます(根拠の解説は省きますが)。
この事から、ブラウザを落とす、あるいはリロードすることにより、通信回線をシャットダウンすれば、戦闘が行われなかった事にして鎮守府に戻る事ができるかもしれない。そもそも猫を入れる前の箱をなかった事にできるかもしれないのです。
確証のない事なので、必ずこの状況を回避できるわけではありません。ですが、大破している58は次直撃を食らえば轟沈します。そして潜水艦という艦種は攻撃できる艦からは確実に狙われます。つまり、ランダムで決定される敵の編成の中に軽巡洋艦・駆逐艦がいれば、ほぼ轟沈が確定する…そんな状況下ではシャットダウンの方がよほど生き延びられる確率が高いように思えます。
無様だと思いましたが、「大破進軍 回線」でググりました。そして、実際にリロードしているケースがある事も分かりました。
であれば、ここはもう過ちをなかった事に―。
しかし。
それは、「ズル」なのではないか?
そういうルールの下でゲームをしてきて、都合が悪くなったらゲーム盤をひっくり返すのはマナーとして最悪じゃないか?
轟沈の恐怖を受け入れてこそ、艦これというゲームは成り立つのではないか?
これが例えばコンシューマーゲームであるなら、リセットはありかもしれません。実際に、wizでもFEでも散々ロストを回避してきたわけですし(むしろ、リセット前提でゲーム作ってる節もあるし)。しかしながら、これがネトゲであるならば。同じルール下で複数のプレイヤーがゲームをしているという状況下では、自分だけがそれを拒否するのはあまりに自己中なプレイではないでしょうか。
私が真摯に「艦これ」を遊びたいと思うのであれば、自ら招いた結果は受け入れるのが筋というものではないのだろうか…?
結果として、私は「輪形陣」を選択。戦闘に突入しました。敵の編成が重巡洋艦・補給艦のみであるように、と祈りながら。
残念ながら、戦艦・駆逐艦2隻・補給艦3隻が展開しており…もはや絶体絶命。かくなる上は駆逐艦の攻撃が届く前に、戦艦・空母の攻撃で駆逐艦を沈めて攻撃を封じるしかない。先手必勝。
そして榛名が見事に1隻を撃破。しかし、他の艦の攻撃が当たらない。瑞鶴の攻撃隊も小破に追い込んだのみ。生き延びた駆逐艦の攻撃が伊58へと向かい…すんでのところで回避、最悪の事態を免れます。
が、戦艦の存在により2巡目の攻撃が開始。当たらない。こちらの攻撃が駆逐艦を沈められない。ついに敵駆逐艦の最後の一撃が伊58へと放たれ…これも奇跡的に回避!
蓋を開けてみれば奇跡の生還。案ずるより生むが安し。意外と何とかなるものでした。
…いや、ホントに胃が縮むのが分かりましたけれどもね。
この状況を招いたのは自らの不注意が原因であり、不注意を生んだのはながら作業をやらかした慢心。
ホントに、慢心ダメ、絶対。
で。
実はここまでは前置き、というか状況描写。言いたい事はここからです。
上記の通り、私はアホな事をしてその結果、切実な選択を迫られたわけです。
今回は覚悟完了し、ゲームシステムに殉じる事になりましたが…。
正直、轟沈するのが伊58だったから出来た事だな、と思うわけで。
伊58は別に嫌いじゃないけど特に好きだという所までは至ってない、というのが私の中での位置付けです。つまり、例え轟沈の憂き目に遭ってもまだ耐えられるだろう、という判断がありました(もちろん、しないに越したことはない)。その上での覚悟完了。
しかし、これが例えば…最大戦力である金剛(LV97)や可愛すぎる僕っ娘時雨(LV91)、そして秘書艦朝潮(LV98)が轟沈するかもしれないという状況であったならば…私は迷わずリロードし、なかった事にするんじゃないだろうか。
多分、彼女らを喪う衝撃は大き過ぎる。艦これを続けられないくらいに。
轟沈を受け入れる覚悟、なんて言ってますが、それは「受け入れられる轟沈」までの話であり、それ以上の状況になったら反故にする気満々な自分に気づいたのでした。
結局、尊重するべき理想や守るべきルール・規範があったとしても、耐え切れない喪失という現実の前にはあっさり無価値なものになってしまうんだなぁ、と。
世の中の理想と現実がかけ離れてしまうのは、そんな理由があるからなのかもしれない。
…なんて事を考えてしまうくらい、艦これに嵌まってるらしくて苦笑いw