Ceramic moon Plastic stars

大体漫画とかアニメの感想を書いてます。こう、妄想が溢れそうになった時の受け皿としても活用。

BD版「ポンポさん」が(我が家に)きったぞー!

…改めて見ると、物凄いエゴだなぁ。

(誤解を避けるために先に書きますが、凄い面白いです。ナタリーホント可愛い)

 

「映画大好きポンポさん」のBDが届いたので、改めて観たのですが。

 

前半については、相変わらず原作を非常に上手く映像化したなぁと(一点、あのシーンがアレなのはやむなしとして)。

しかし、後半、つまり編集に入ってからについては、劇場で観たときと違う印象を持ったので追記したいと思います。

本作の最大の山場であるジーン君のわがまま。
これのおかげで金・時間・手間…莫大なコストが必要になりました。それがどれだけの困難であるかは明確に描かれ、それをどうやってフォローするかという事がメインタームになるわけですが…(ここがつまり、原作との違い、オリジナリティ)。
この時点で相当にクレイジー

が。

この選択、コストが新たに発生するどころか、そもそも作品を公開できない可能性があったわけです。多くのスタッフの努力、ヒロインとの約束…それら全てを白紙に戻す、無駄にするかもしれない、というリスク。こだわりを捨てさえすれば、すでに名作・受賞作になると明言されている作品なのに。
それでも、「ただ自分の作りたい映画を作りたい」というエゴを「通してしまえる」という…これ、普通の感覚だと常軌を逸してますよね?(少なくとも私はそう感じる)

 

原作の話になってしまいますが、2巻のジーン君のやらかしには同情出来る点があるので、彼の暴走も何故か前向きに受け取れてしまうのですが。

それに対し、この劇場版におけるジーンの行為はといえば。
視聴者(私)は前半で(ジーンを含めた)皆の努力や創意工夫、映画に賭ける思いを見ています。だからこそ、素晴らしい映画になるだろう、なってほしいと願いました。
ところが…それを全部台無しにしかねない事をやったという意味で、ジーンの選択は今更ながらに恐ろしい。
…気に入らない映画を没にした、という事より、(自らも)素晴らしいと思っていた映画を闇に葬ろうとした、という事の方が危険度は高い…。

 

以前、劇場版の感想を書いた際には、「原作に比べて狂気が薄い」とかいう事を思っていましたが、それ、間違ってたなぁと。
結果的に上手くいった(エンタメ的に面白かった)から誤魔化されてるけど、やってる事は劇場版の方が遥かヤバい。

 

更に言うと、元は「ナタリーのあのシーン」のためにあった映画が、ジーンの思いを表現するために編集された、というのも気になるところ。
もしかすると、原作で描かれた(私が思っていた)「MEISTER」と劇場版で出来上がった「MEISTER」は違っているかもしれません。
「リリィ」がメインじゃなくて、「ダルベール」がメインの映画になってそうな気がする。

 

観てみたいなぁ、「MEISTER」。
…ナタリーのあのシーンが切られてたら泣きそう。