Ceramic moon Plastic stars

大体漫画とかアニメの感想を書いてます。こう、妄想が溢れそうになった時の受け皿としても活用。

妹がオタみたいなこと言い出した

「この映画に出会えて、ホントありがとうって感じ!」
「…ぉ、ぉぅ…」

 

「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」を観てきました。妹さん、姪っ子2人と一緒に(隠れ蓑とかいうな。私は一人で映画見れる人種だ!!)

 

妹さんは漫画読むし、姪っ子達の影響もあってアニメも観なくはないのですが、いわゆるオタではありません。…でした。
もちろん私はオタク。ですが、幸いその辺については当たらず触らずという立場をとっていただいておりまして、姪っ子達に「おじさんは可哀想な人だからそっとしておいてあげて」と真綿で締めるように拒絶されたりはしておりません。ていうか私の部屋に入ってこないでくれ。寿命が縮む。

 

閑話休題

 

それが突然どうした事か。あっさり「〇〇年の人生において最高の映画(本人の名誉のため数字は伏せる)」「こんなに泣いた作品はない」「もう何を言っても言葉が追い付かない」などとテンション高めで言い放つ始末。
真正のオタとしては「wwww語彙www力wwwwww」などと返したくなるところですが、家族的社会的ペルソナもあるのでそこはぐっと我慢します…というより、そんなトーク力(?)がない。
その結果、冒頭の若干引いたリアクションを取らざるを得なくなったわけです。…身内が突然オタ化するとこうまで戸惑うものなのか…。…いや、オタと言うにはまだ…(何らかの葛藤)

 

更に閑話休題

 

感想としましては。

「最高…最高だ…」と心中で連呼しながら滂沱したという事実。

 

いやもう…最高かよと。たまらんわー凄すぎるわー。もうね、炭治郎がガーッと盛り上がるとことか強いんですよ。最高かよと。
当然煉獄さんも強過ぎてたまらんのですよ。好き。兄貴キャラとして極まり過ぎ(語彙力語彙力

 

(深呼吸)
…いやぁ…ぶっちゃけ、原作全部読んでますし、話の筋は重々承知なのですよね。誰がどうなるか、どこがクライマックスなのかもわかりきってる。ネタバレ上等なわけですよ。
なのに、まんまと、「あああああ…あああああ…」とか心中(略)。不織布マスクがビッタビタなんですわ。何なのこの圧倒的な訴求力。

珍しくソロじゃなかったもんで、上映後、デバフされまくった語彙力で妹さんと討議した結論としましては、「絵がキレイ」「超動く」「音楽が神」「声優が激熱」…「そりゃアニメだしな」と今ならツッコミ入れられるものでした。だが間違っていない。

 

個人的に映画・アニメとして見た「無限列車編」で一番強いのは、「声優さんの演技力」。
これはホントに漫画を読んだ時に脳内再生した声のイメージを圧倒しましたね。
漫画は漫画で色々と思う事がありましたけども、映画ではキャラの声に乗せて、余りにも多くの、強い感情が叩きつけられてきたように思います。改めて、「あぁそうか、あの時、炭治郎はこんな風に…」「煉獄さん…」と悟ったり、新たな思い入れの扉が開いたり。
今更言うのもなんですが、声優さんすげぇー。

 

更に言うと演出が良かった。間の取り方、構図。タメが効いてるというか。くるぞくるぞ、って思ってるところに間違いなく熱い衝撃がやってくる、という安心感と期待を叶えられる心地よさ。

 

何気にギャグパートの落とし方も良かったですね。…いや……炭治郎の「無意識」の後にアレは…うん…笑ったけどw

 

そんなこんなで大満足でした、「鬼滅の刃」。妹さんほど素直に「ありがとう」とは言えないけど、それでも観て良かったと思える作品です。

 

なんかね…昼ごはんを買いに入った□ーソンで思わず涙目になっちゃうくらい(^_^;

事前の予習はやった方がいいですが、観てない人も是非観てください!!

 

↓以下ネタバレ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これ、無限列車のとこがすっごくもったいないなぁと思ったりもするわけですよ。
何気に凄い完成度というか、厭夢倒すとこまでの流れで十二分に長編として成立しうるカタルシスや葛藤、萌えが盛り込まれているわけで。
特に炭治郎の「家族を侮辱するなぁぁぁ!!!」とか最高じゃないですか(語彙力)。涙を流しながら切り捨ててきたものを、それでも大切に、大事にして怒る。何て主人公!!
精神攻撃はバトルものの常ではありますが、ここまで切ない、そして熱い描写はなかなかないように思いますね。六太の「おいてかないで!!」はもう…泣けましたわ。

 

あと、竈門家、皆が皆、ツラが良過ぎて困るw
無残への怒りが更に強まりますなぁ(なんか…

 

今回、どうしても善逸が割を食ってしまってるんですが、その分伊之助が大活躍。炭治郎とのコンビネーション(動き的にもやり取り的にも)が全くずれてなくて気持ちいい。
あと感情表現という点で分かりやすいので、色々と内に籠ってしまいそうな葛藤を表現してくれて非常に助かる。
姪っ子達には「アイツ、助けなくても良いと思う!」が大ウケでした(妹がたしなめてはいたけども)。
猪突猛進・脳筋の伊之助が炭治郎を傷つけた車掌を憎む、という単純だけどニヤニヤしちゃう描写が実にたまりません。

当然、ラストの涙も、彼らしい、他の誰とも違う悔しさ・悲しさを見せていて…いいなぁと。

 

厭夢の体内と化した列車内の戦闘は…グロいの一言なんですが、姪っ子達が目を伏せてたっていう表現もすっかり慣れちゃってる自分に気づいて苦笑い。こういうの、一部界隈では定番っていうか序の口なんだよなぁ…桑原桑原。
漫画ではなかなか感じられなかった「高さ」があって非常によかったかと。

 

あ、何気にアニメオリジナルの演出で上手いと思ったのは、「炭治郎の優しさ」の表現。
非常に無理なく、そして美しく表現できていましたねぇ。白眉の出来かと。……それに比べて善逸の無意識よw 割と本気で怖いよ、アレw

 

と…列車の描写、風景の速度感、閉鎖空間での死闘、200人もの人質…スリルとアクションが目いっぱい詰まった、ハリウッドアクションにも匹敵する無限列車……。

 

…を。
全部前振りにしちゃう煉獄さんがホント酷いw

 

もちろん、厭夢を倒すまでの流れが軽いわけではない。ただ、それより何より煉獄さんが凄過ぎるだけなのですわ。

 

いやもう…ホントに何なのこの人。
メタ的に言って活躍したのは、たかだか漫画1巻分、この映画にしたって途中ちょこちょこ、最後にドカン。作中時間で言ったら日暮れから夜明けまでの長くても10時間程度ですわ。
それなのに、それなのに圧倒的な存在感。キャラ力。訴えてくる力が凄過ぎる。
人の魅力というのは、過ごした時間で語られるものではないんでしょうねぇ…としみじみ思います(いや、そんなに冷静な心境ではないがw)。

 

ラストバトルの迫力、スピード感が素晴らしい。でも何より、「玖の型 煉獄」からの迫力ですよねぇ…。息もつかせぬ、結果を知っているのに、それでも「頑張れ!」と思わずにはいられない。
鳩尾を貫かれても、なお首を斬る、鬼を討とうとする執念。
煉獄さんとアカザ、吠えるシーン。正面から比較するように映す表現の熱さといったら。怯むアカザ、決して折れない煉獄さんの対比が素晴らしい。頑張れ煉獄さん!

 

冷徹な結果として。
煉獄さんは負けた。あと一歩のところまで追いつめていたとしても、上弦の参を討てなかった事は事実。そして自分はもうすぐ死ぬ。
煉獄さんの絶望感はいかほどだったろう。座り込んでもしまうだろう。

 

だけど、炭治郎が絶叫して…絶叫してくれて、きっと煉獄さんは救われたんだろうなぁ、と。
自分が頑張った事を認めてくれる、勝ったんだと言ってくれる、…そして、そんな後輩を守る事ができたと知る事ができて。
もう、あの炭治郎の叫びがホントに珠玉。これほどに悔しい叫びが他にあっただろうか。いやない。
零れ落ちる大粒の涙とアカザへの罵倒。悔しさと怒りが胸に突き刺さってくるんですよねぇ…だからこそ、煉獄さんの凄さが分かる。炭治郎達をここまで奮い立たせた煉獄さんへの思いが強くなる。

…そこまでの激しさ、熱さがあるからこそ、「こっちへおいで」と優しく呼びかける姿と声が…もうね、刺さるんです。

炭治郎の気持ちも分かる。煉獄さんが死んでしまう、止められない事実と向き合いながらそれでも抗いたくて…でも、煉獄さんの言葉を聞かなきゃならない。それが煉獄さんの願いだから。最期のチャンスだから。
燃え尽きるその時まで、大切な人達を案じ、後輩たちを叱咤し……信じていると語る漢の熱さ。
煉獄さん本人の演技、描写もさることながら、炭治郎と伊之助の演技が、どれだけ悔しく、悲しく、煉獄さんを思っているか鮮烈に表現していて、更に煉獄さんの魅力が強まるんですよねぇ…。
「煉獄さん、煉獄さん、……煉獄さん…」泣きながら呼びかける炭治郎の姿が、ホントにツボなんです。名前の重複呼びってその人への思い入れの深さを思わせて。


あの朝日の中のシーンは、とにかく悲しく、切なく……だけど美しい。

つくづく、もっと煉獄さんの活躍、見たかったなぁ。
外伝も良かったけど、でも個人的には炭治郎達と一緒に任務に当たったり修行したり…そういうのが…。
泣きそう。


…ある意味、この映画は単体で見ればバッドエンドなんだけど、それでも良かったなって思わせるのは凄く不思議。
悲しくても煉獄さんを知れた、という事は素敵な事だったなぁ…と。

 

 

とりあえず、煉獄さんのモデルが実在する、っていうのが最大の驚き(入場特典より)。
こんな人、実在するん…?!