Ceramic moon Plastic stars

大体漫画とかアニメの感想を書いてます。こう、妄想が溢れそうになった時の受け皿としても活用。

歳を…とったなぁ。

 いい歳して「映画ドラえもん 新・のび太の大魔境」観てきました。

 

 封切りから1ヶ月が過ぎ、そろそろ客の入りも少なくなったろう…と思いつつ足を運んだら、映画館には長蛇の列。うわいったい何事かと。お父さんお母さん、お子さん連れでご苦労様です。っていうか、まだドラえもん観てなかったんですか?

 …と思ってましたが、どうやら「名探偵コナン」の方だったようで…まぁそうだよね。

 これで小さなお友達の中におっさんが一人、なんていう肩身の狭さを感じずにすむ、と安堵しつつも、ドラえもんの人気なくなってきてるのかな、と寂しさを覚え…。

 

 …てたけど、割と客入ってました。

 

 50人くらいの小劇場でしたけれども、まだまだ皆ドラえもんを好きでいてくれるんだなぁとホッコリしてみたり。

 騒ぎまわるお子様がいるわけでもなし、ちょうど良いザワザワ感の中で証明が落ちていきました―

 

 

 

 しずかちゃんのスカートの鉄壁っぷりに苦笑いw

 そういうもんだと分かっちゃいるけど、タケコプターによる空中機動にはハラハラさせられっぱなしです(大人って…。

 ていうか、地味にしずかちゃんの仕草やら表情が可愛くってちょっと萌えます。

 媚び媚びってわけじゃなく、自然な感じです。

 

 

 えーと。

 ぶっちゃけた話、ドラえもんの新劇場版にはかなり厳しめに評価をしています。何せ元に名作(ばかりではないが)の大長編があるわけですから、どうしてもそれと比較してしまうのは仕方がない。そして往々にしてオリジナルを越える事は出来ず、ガッカリする事が多いのが実情。

 で、今回もそこまで期待はせず、かと言って原作を愛する者として温い目観る事もしない、というスタンスで観てたわけですが…。

 

 

 かなり面白かった。

 

 どうも今回はアニメオリジナルの改変・追加を抑えているようで、原作準拠の脚本になっています(なのでコピー紙じゃなくてわら半紙)。

 そのため、妙に誇張されたキャラクターのドラマや逆にないがしろにされるキャラもおらず、全員に見せ場がある安心できる構成になってました。

 逆に言えば、原作の脚本の出来が全てということになるわけですが…今更ながらによく出来た話だな、と感心した次第。

 

 そもそもドラえもんという世界でハラハラドキドキの大冒険をする、というのは難しいのです。何せ万能の存在であるドラえもんがいるのですから、ほとんどの危険は危険ではないのです。何もしなければジャイアン探検隊はジャングルの奥地にあっさり辿り着いてTHE END。全く話になりません。

 なので、毎回毎回藤子先生はあの手この手でひみつ道具に制限をかけてくるわけですが、実にスムーズな展開でひみつ道具を封印する事に成功しています。それでいて、全てに道具・設定を後で生かすために違和感なく説明もしている。

 さらに皆の行動の動機も巧みに描いており、特にジャイアンの葛藤にはやきもきさせられながらもスリルを演出し、かつペコやのび太達との友情をより強く演出しています。

 

 細かい所を突けば、いくらかツッコミどころはあるのですけれど(何故ペコは日本まできたのか、ペコがのび太達を選んだ理由はなんなのか、など)、逆にその辺はペコの立場からの妄想などが捗っていいんじゃないかと思います(個人的にはあれこれ考えてますが)。

 

 絵に関しても十分によく動き、またスクリーンの幅を生かした見せ方も多く、非常に良い感じです。コミカルなキャラクターの動きも可愛くていい。

 

 私は話の筋をほとんど知ってる(ほとんど忘れてましたが、観てるとだんだん思い出してきて)のですが、それでも引き込まれてしまうくらい、見せ方がしっかりしていたと思います。

 隣に座ってた小学生の男の子が「うわっ、早く逃げなきゃ!」と思わず言ってるのが聞こえ、あぁ楽しんでくれてるんだなぁ、と嬉しくなったりもして。

 

 

 しかし…この歳になって見返してみれば、結構無茶やってるよなぁと大人気なく思ってみたりもしてw

 探検の準備はいいか、と問われて、何ら装備してない普段着(明らかにひみつ道具頼り)、とかw

 幾らなんでもあんなに猛獣に襲われたら、そりゃぁジャイアンかわいそうだろう、とかw

 例えひみつ道具を信用してたとしても、ずぶの素人に達人の相手をしろとか無茶振りにもほどがある…とかw

 

 あ、そうそう。サベール隊長がかなりかっこよかったです。凄腕のライバルとしての存在感がビシビシ発揮されてました。また声が良くてねぇ…ってエンドロール観てたら小栗旬だったりして。…やるなぁ、小栗旬

 のび太の見せ場だけど、あれはペコに真剣勝負させてあげたかったような気もします。

 生きてればいいけどなぁ。

 

 あと、COWCOWも良い味出してました。

 

 とにかく全般的に楽しめました。正直予想外。

 …一つにはあぁいう一生懸命な少年時代、ってのに切なさを感じる歳になっちゃった、ってのもあるんでしょうけどね。

 いい歳した大人にこそ見てほしい1作になってたかと。

 

 来年の劇場版がちょっとなんだか分からないんですが…この出来なら期待しましょう。

 

 

 

 でも、正直…予告でやってた3Dドラえもんが気になって仕方ないw

 あかんのやって。あのエピソードはホント泣いちゃうんだって…。