Ceramic moon Plastic stars

大体漫画とかアニメの感想を書いてます。こう、妄想が溢れそうになった時の受け皿としても活用。

そもそも。

 改めてブログ書こうと思ったのは、平成26年1期目のアニメが名作揃いで、それぞれ最終回で色々思わされるところがあったからなのです。

 

○キルラキル

 製作側のウケを狙う気配が強いと感じてましたが(この辺はかなり主観が入るので端折ります)…。

 

 結果として、徹底的に無駄を省き、語りたい事・描きたい事のみを濃縮し、ものすごい勢いで視聴者に叩きつける事で、いつの間にかあの世界に引き込まれていた自分に気づきます。

 「わけわかんねぇー!」と言いたくなる衝動よりも先に、あれよあれよと進んでいく状況、キャラクター達の行動に目を惹きつけられツッコミを入れてる暇がありません。そしてその圧倒的なスピード感が心地良い。

 細かい理屈や決まり事を熱い感情で一気にねじ伏せる、そういう主人公・流子達の生き様を作品全てで表現していたと言えるでしょう。…いや、いい作品でした。

 

 繰り返しになりますが、細かいところにツッコミは幾らでもあるんですけど、それすら含めて爽快感や感動に昇華するという独特の作品だったのでしょう。

 ホントにスタッフの皆さん、お疲れ様でした。

 

○サムライフラメンコ

 毎回毎回「えええええええ?!」ってどんでん返しで先の読めない作品でした。

 最終回の落とし所がここまで読めなかったのも久しぶりです。

 

 ヒーローもののパロディでもなく、リスペクトでもない。

 「ヒーロー」という荒唐無稽な設定を用いた人間ドラマ、その脚本が実に面白かったです。特に正義君と後藤さんのやり取りは実に…キュンと来るものがありました。

 登場人物の誰もが「壊れている」中、後藤さんの真実は切なくも異常であるし…純粋だし。ある意味、ギャルゲーや純愛ものにありがちな「一途で永遠の愛」のオマージュだとも言えるかな、と。

 それに対する正義君の答えがまた…独特というかバカだなぁとw

 かなり強引だという印象は否めませんが、私としてはアリだと思います。

 

 本当に独特な作品、という事で非常に面白かった。…だからこそ、作画のレベルが低かったのは惜しかったなぁ…。終盤、作画が安定しましたが、最初っからこれでいってくれてれば世間の認知・評価も高かっただろうに…残念。

 

ガンダム ビルドファイターズ

 またガンダムか…と思って観始めたら面白いのなんのって。

 正確にはガンダムではない、ガンダムをモチーフにしたスポ根アニメでしたがw

 

 このアニメを説明するなら次のようになるかと思います。

 

ガンダム好きの、ガンダム好きによる、ガンダム好きのためのアニメ」

 

 オリジナルが持つ陰惨な戦争・人々の争いという要素は全て取り払い、とにかく「かっこいいガンダムやMSを思う存分戦わせたい!」という熱意がダダ漏れ

 ここであえて強調したいのは、「ガノタ」ではなく「ガンダム好き」が作っているという点。

 ガンダムという作品に対する知識や思い入れではなく、「俺(私)はガンダムがこんなに好きなんだ!かっこいいと思ってるんだ!!」という意思の下で作品を作っているように感じられるのです。

 

 マニアックな機体を登場させ、しかもそれを十分に動かし(一瞬で撃破される機体も多いけど)、視聴者に「おぉ、○○ってこんなにかっこいいんだなぁ」と思わせる事に成功しているのは、まさにそういう意思や熱さがあるからでしょう。多くのガンダムファンは思ったはずです。「自分の好きな機体がこのアニメで出てこないだろうか」と。自分がガンダムに抱いている思いを託せるほどの魅力が確かにありました。

 

 また、ビジュアルとしてだけでなく、ストーリーとしても盛り上がる、非常によくできたものになっていました。

 ガンダムバトルはフィクションですが、大好きなモノに熱中する姿、誰よりも強くなりたいと願う心、そして真剣勝負…それはまさに現実の勝負事(スポーツやゲーム、etcetc)と何ら変わりません。いやむしろより純粋だといえるでしょう。

 その姿は素直に熱く、感動できるものだったと思います。

 随所に盛り込まれたガンダムのパロディ、リスペクトもファンにはたまらない。

 

 それを最大限に詰め込んだ、最終回の全員登場&大活躍、ライバルとの最後の真剣勝負、そして別れ…。

 たった25分とは思えない密度の高さでした。

 本当にやりたい放題、かっこいいもの、好きなものを描ききった、幸せな作品だと言えるでしょう。

 何せあの世界では、(異世界からの来訪者というイレギュラーがあったにせよ)ガンダム好きの願いが世界のあり方を変えてしまったのですから(結果的にプラフスキー粒子は世界に復活し、そして別世界との接点ができた)。

 好きなもので世界を変えられる…これに勝る事はないのではないでしょうか。

 

 個人的にはチナとアイリが身を挺してセイとレイジを守った姿にグッときましたし、最後の最後、セイとレイジの戦いを「約束」として残したのが熱いな、と…軽く泣けました。

 

 本当にいい最終回でした。一部では「全く批判する気がおきない。こんなのガンダムの最終回じゃない」というご意見もあったようでずがw

 

 是非続編を期待したいところですが、それが無理ならOVAでレイジが戻ってくるくだりくらいはやってほしいものです。

 

 

 スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした!