Ceramic moon Plastic stars

大体漫画とかアニメの感想を書いてます。こう、妄想が溢れそうになった時の受け皿としても活用。

ずっと一緒にいる事だけが愛ではないと。

(痛々しいSSから始める暴挙)

 

「あー、お願い神様ー! 次はちゃんと勉強するから今度のヤマだけは当てさせてぇー」
今回赤点だったら冬休みを全部補修で潰すことになるはっすが、青白い顔で天を仰いで言った。
前日までファミレスでダベりながら見せていた余裕はどこへいったんだろう。今回に限ったことじゃないけど。
「そんなこと言ってる間に単語の一つも覚えたらー?」
「もういっぱいいっぱいだよぉ…口から英語があふれてきそう」
「それ、良い事なんじゃない?」
「筆記の役には立たないーぃ」
「どーでもいいから暗記暗記。神頼みなんて叶わないんだから」
「うぅ…助けて神様ーぁ」
机に突っ伏した友達を横目に、窓の外を見る。雪はまだやみそうにない。明日はもっと降るのかな。久しぶりに晴れたらいいな。

…そう、神頼みは絶対叶わない。
私達は知ってる。この世界に怪獣とヒーローはいても、神様はいないって―

 

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SSSS.グリッドマンという作品は実に考察のし甲斐があるというか、あえて名言していない設定や描写されていないシーンがあるので、そこんとこをアレコレ考えるのが実に楽しい。ついつい考えたくなる魅力に満ちていました。

 

…のですが。

 

あえて、「あれはこういう意味で」、「そんな意図があった」、「実は…」…なんて事は語らずに、きっちり描かれた事について私が感じた事を書き殴ります。


まず、最終回を観終わって「……うわぁ…これは一体…いったい何なんだ…」みたいな感覚に陥ってました。間違いなく凄いものを見たんだけど、何が凄かったのかよく分からない…というような。
色々な点で私に刺さる、悲しかったり切なかったり、熱かったり。萌えもするし、憎くもあった。でもこのツボにはまる感じは…。

 

と、TwitterのTLで「帰ってきたドラえもん」のパロディをやってるイラストを見まして。…あぁそうか、これは私が愛してやまない「さようならドラえもん」と同じなんだ、と。
他の作品と比較して評価するのはどうかとも思うのですが…。
旅立つ人、残る人の構図は逆とはいえ、大好きな友達が背中を押してくれる、大好きな友達のために別れを選ぶ…そんな成長の切なすぎる一コマ。
一緒にいたいけど、一緒にいちゃいけないと自分で、自分たちで決める勇気が美しく、そして羨ましいな、と。
一人、ポツンと座る部屋の寂しさが胸に染みるのです。陳腐な言い方ですが、六花達は一つ大人になったんだな、なんて。

 

確かに、「帰ってきたドラえもん」のパロディをやりたくなる気持ちは分かる。それがどんなに嬉しいかも。
でも、それが叶わないからこそ彼ら・彼女らの選択は美しいわけで…あぁ、悲しいなぁ。


離れていても、それこそ次元という決定的な隔たりがあったとしても、そばにいてくれると信じられれば、きっと。

 

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「辛いのは今だけだから。頑張ろうよ」
「うううう~! もう、絶対絶対テスト終わったら遊びに行くからね! 行先決めといてよね!!」
「行先かぁ…」
そういえば、今朝何気なく確認した路線図。昨日までなかった隣の市への路線が増えていた。…世界が…あかねの心が広がっているんだ。
頑張れ。ずっと一緒だから。私も、頑張るから。

 

「…海外とか行っちゃう?」
「英語やだぁ…」