Ceramic moon Plastic stars

大体漫画とかアニメの感想を書いてます。こう、妄想が溢れそうになった時の受け皿としても活用。

思い出したように更新。それがここのスタイル。

…映画かアニメの感想しか書いてないなー、と自覚はしております。

 

そんなわけで、機動戦士ガンダムNT、観てきました。

結構評判良いみたいなのでレビュー(というか感想)を書いてみます。
※以下がっつりネタバレするので未見の方はブラウザそっ閉じ推奨。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


私の感想としては、「凄く良く出来た佳作」。

いや、決して悪い意味で言っているわけではなく、ほんとに良く出来てると思うんですよ。
初っ端から宇宙世紀最悪のイベントであるコロニー落としインパクトを叩きつけつつ、ヨナ達がどんな存在であったかをアピール。
戦闘シーンも高速でMSが飛び交い、カメラワークもグルグル回ってかなりの迫力とスピード感。特にナラティブA装備の加速感はデブリが漂う宙域の恐怖感もあって、スリリングでよかった。あとBGM。ほんっと超カッコイイ。(この辺、公開されてる冒頭23分の映像で痛いほど感じられます→https://www.youtube.com/watch?v=_NUm_aGjnGY


ドラマとして見ても90分の劇場作品の中でヨナとミシェル、そしてリタの因縁を描き切り、更にサイコフレームというオーパーツの顛末をも示唆したというのは高く評価できるのではないでしょうか。
描くべき焦点をブレさせず、誤解なく結末を視聴者に伝えたというのは結構凄い事だと思うんですよねぇ。
オカルト、ってとこについては気になりませんでしたね。だってそもそもオカルトだしw

 

でも…それだけ、だった。

 

凄い、とか、熱い、とか。
もう一度見たいと思わせるほどのものが無かったんです。

私には「ガンダム」(特に宇宙世紀)という作品・世界観に妙な思い入れがあって、それがきっと「ガンダムはこうあってほしい」とか「こうでなければ」という無駄な期待感を持たせていたのでしょうが…。

 

あえてその曇りまくった眼でNTを評するのならば、「正史にはならない、余りもので間隙を埋めた物語」。
…いや、ほんとに悪意はないんです。そういう風にしかとれない物言いしてるとは自覚してますが。

 

で。

先の評に至った理由、ですけれども。
まず、敵として設定されているゾルタンがフル・フロンタルの下位互換であるという事。…いえ、彼は彼ですごく魅力的なのですが(言い訳多いですがご了承ください)。ぶっちゃけこの作品では一番好きなキャラですね。道化として余りにも強烈過ぎます。

閑話休題
ゾルタンは作中でも「失敗作」と呼ばれニュータイプ・強化人間としての「性能」でフル・フロンタルに及びません。さらに確固とした思想を持たず(フロンタルも究極の虚無主義者という時点でどうかとは思いますが)、カリスマ足りえていません。それ故に破滅へと突き進むわけですが…。(その辺含めて哀れな人間として非常に魅力的だと思います)

 

対して、主人公であるヨナもミシェルに流されている印象が強く(彼にも後悔や望みがあるとはいえ)、明確に事態を打開すべく動くのもリタに導かれての事。物語を動かす主人公としては力不足に感じました。…ある意味、運命を見通せるニュータイプではない(と思われている)只人の迷う姿を描いていると言えるかもしれませんが。

 

更に主役機であるナラティブガンダムにカリスマ性がない。
いや、逆にこれは上手く出来てるとは思ったんですよ。すでに時代的にそぐわない機体・技術の結晶であるオーパーツフェネクスが登場するというのに、更にそれと並び立つ(あるいは凌駕する)ような機体を追加するわけにはいかないでしょうから(さらに封印・抹消するような機体を出すの?という批判は免れない)。
そこをスルーするため、設定的に矛盾・無理がない機体として、「νガンダムのプロトタイプ」というオーバースペックにはならない、それでいてサイコフレームを積んでいてもおかしくない「ナラティブガンダム」が生まれたというのは上手い落としどころだと思います(シャアから貰って、νを作る前にさらに1機ガンダムを作る時間あったの…?とか思うけどもw)。
その設定上、ナラティブはνに及ばず、オプションでその性能を補ってフェネクスシナンジュスタインに対抗することになり…この辺が「余りもの」感。


しかし、ナラティブにカリスマがないというのはそこが原因ではなく、「ガンダム」としての意思がない・パイロットとの共感がない点につきます。
ヨナはナラティブに対して「サイコフレーム搭載機」という「フェネクスの餌」以上の感慨はなく、ナラティブもヨナの思いに応えて力を貸す描写はありません。その辺が非常に物足りない。
…ぶっちゃけ、ヨナは「ナラティブ!!」って呼ばなきゃならなかったし、ナラティブはそれに答えてツインアイを「ギィン…!」って光らせなきゃならなかったと思うんですよ!(痛々しい主張) だが、それはなかった! そうはならなかったんだよ!!

そんなわけで、主役機はフェネクスだったなぁと感じるのはやむなしかと思うのです。

あとガンダムシナンジュ(IIネオジオング)以外のMSの戦闘があまり描かれていないのも残念。尺の都合ではあるのでしょうけれども。


そんなわけで…面倒なこだわりがあると面白いはずの映画も微妙になっちゃうんだなぁと思うのでした(感想変わってる)。


何気にNTの最大評価ポイントは、バナージとキャプテン達がミネバと一緒にいる、と明示してくれた事だったりしますが(UC厨)。