Ceramic moon Plastic stars

大体漫画とかアニメの感想を書いてます。こう、妄想が溢れそうになった時の受け皿としても活用。

言葉遊びと思考実験。

ユリキラーというゲームがあります。
アダルトゲーム(端的にいってエロゲ)なので公式サイトにリンクを張りませんが、分かる人にはタイトルだけでどういう作品であるかはピントくるはず。

…ところが、ピンときた感覚・予想を斜め上にぶっちぎった作品だった模様で。
詳しくは下記のリンクを参照。残響氏の阿鼻叫喚であったり諦念であったり悟りであったりを面白おかしく(鬼か)読んでいただけるとよろしいです。
http://t.co/A8uEmEK5HT

さてこのゲーム。
私なんぞはビジュアルを見た瞬間、「あ。これちゃう」と察したものでした。
じゃあその「これ」とは何なのか。言うまでもなく「百合」であるかという事です。
そも、「百合殺し(ユリスレイ…もとい、ユリキラー)」と銘打っている以上、最前提として「百合」というものがなければなりません。ところがその「百合」が全く感じられない。何故「百合」が感じられないのか、「百合」とはなんであるのか、その点については前述の残響さんのレビューに強く的確に明記されているのでここでは語りません。ともかく、初見の段階でタイトルに偽りあり、むしろこれネタゲーだな?と悟れるものでありました(「レズキラー」だったら納得したかもしれない)。それにあえて挑んだ残響さんには敬意を表したい。あと落ち着きを。

そういうゲームですから、真に「百合」を愛する百合者の皆様からは邪道扱いされたであろう事は想像に難くありません(例によってソースなしの想像のみ)。「百合を何だと思っているのか」「百合を汚すな」「真の百合とは」…そんな発言がネット上や脳内を飛び交った事でしょう。
しかし、裏を返せばそんな(製作サイドには失礼ですが)「紛い物」であったからこそ、不可侵で神聖な「百合」が「殺される」という悲劇を目撃せずに済んだのだ、と言えるのではないでしょうか。
淡く儚い夢の世界が脂ぎったギトギトの野郎キャラに侵食される…それはまさに悪夢ではないのかと。


…と。
ここまで考えた所でふと思ったのです。

「百合」を「殺す」とはどういうことだろう?

言うまでもなく、「百合」とは関係性であり嗜好でありシチュエーションです。擬人化もされてませんから、これを殺害するとは文字通りの意味ではなく、その定義を破壊するという事になるでしょうか。つまり、「関係・嗜好・状況が『百合』とは呼べない」状況に変化させる事であろう、と。
であれば、「ユリキラー」の展開は(そもそも「百合」ではないのだけど)「百合」を破壊しているというより、NTRや陵辱調教ではないかと思うのです。性技や精力を競い、相手を快楽に堕とす…というのはまさにそれらのジャンルの展開です。
…いや、NTRや調教やっちゃったら「百合」じゃないじゃん、ってご意見もごもっともだと思うのですが…。

ともあれ。
NTRや調教ではない、「百合」を「殺す」ゲーム・展開を求めるとすれば、「ユリキラー」のコンセプトは的外れなのではないか。

では、真の「百合キラー」とはどういうゲームなのか。
真に「百合者を絶望させうる」作品とはどういうものであろうか。

以下に私の考えを述べていこう(つまりここまで序文)。

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ざっくりと下記の要素をもつべきと考える。

NTR、陵辱、調教といった要素はNG。
 ダークな雰囲気、展開がダメなのではなく、それらの要素を入れると「百合」じゃなくても話が成立してしまうから。
 ヤンデレ…はキャラクターの性格・特徴としてならあり、というレベルでしょうか。
・絵柄は淡く主線細め。
・女性キャラばかり。やはり思春期が望ましいが、1人くらいは成人したおねーさんがいてもいいかも。過去の経験を語りつつ、憧れられたり、惚れちゃったり。
・主要女性キャラは全てカップリングが設定されている。ゲーム開始直後は成立してないカップリングも作中で成立、もしくは潜在的に両思い(お互い告白してない)状況になる。
 贅沢言えば、ルートによってカップリングが変更(相手・前後)されるといいんだけど、流石にめんどくさくなりそう。

…と。いわゆる普通の百合ゲーっぽい内容を作り上げた上で…。

・男性キャラ(主人公)を設定。彼以外の男性キャラは不在。ゲーム中唯一の男性キャラ。
 …ハーレム、もしくはラブコメ展開になりそうなので、ハーレム展開だけはNGとしましょうかねぇ(^_^;
・主人公がヒロインと接触。その時点でヒロインには彼女、もしくは気になる女の子がいるのだけれど、主人公にも惹かれていってしまう。
 …ついでに相手の女の子も主人公に好意を抱いてしまうルートがあってもいいかもしれない。
・エロでヒロインを篭絡するのではなく、普通に異性間恋愛やって「男らしさ」(かっこいい、だけじゃなくて保護欲を誘うような情けなさ等も含め)に惹かれていくヒロイン。女の子との間で揺れる心を描きつつ、最終的に主人公を選ぶ、と(これこそが「百合殺し」!(ドヤァ))。
・主人公とくっつかなかった別ヒロインは個別で百合エンド。

こうして書いてみると単なる三角関係エロゲになりそうな気もしますが、一番難しいのは「百合関係よりも魅力的な異性間関係」を描く事になりますね。
女の子よりも彼の方が…とヒロインに思わせる説得力も必要ですが、何よりやってるプレイヤーが「悔しいけどコイツ(主人公)とこの子(ヒロイン)の会話面白い…っ!」と感じられなければゲームとして意味がありませんし。
…結局は脚本力、と。

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とりあえずコンセプトだけ書きなぐってみましたが、余裕があればキャラ設定くらい妄想したいもんですなー。

 


…ところで、百合ゲーやったことないんですけど…(またこのオチか!)