Winter comes around
たった8ページがとてつもない衝撃だったので、書き残しておこうと思い。
まんがタイムきららCarat 12月号。
後で知ったのだけど、「NEW GAME!」が巷では大人気らしい。それ故かどうかは知りませんが、表紙を大々的に飾っておりました。
が。正直、それはどうでもいい(ファンの方、ごめんなさい。悪意はないのです)。
とにかくGA 芸術科アートデザインクラスが凄かったのだ。
※以下ネタバレ。
今回は美術部パート。文化祭の賑わいが遠く過ぎ去った12月の美術室から始まります。
ベタと濃い目のトーンを減らし、網掛けで濃淡を表現した大ゴマが人目で寂しさを印象付けます。
で。
ここに魚住がいないという時点で逆に「あぁ、今回はあーさんと魚住の絡みがあるのか」と察しがつくわけです。GAで唯一カップリングを匂わせる二人。これは期待に胸が高鳴るというもので。…しかし、空気は寂しい。
それから2年部員との「アート」なやり取り。いつも通りと言えばいつも通りだけど、ぶちさん・魚住がいない光景はどこか落ち着きません。そして「心理クイズ(占い)」。これでまた期待が膨らみます。
それにしても今回のあーさんはとてつもなく可愛い。ぶっちゃけいつもの5割増し(いや、私はもともとあーさん萌えなんだけども)。
ぞんざいで大雑把な残念部長が、寂しさをまとうだけでラブロマンスのヒロインに。ほっとけなさが半端ない。保護欲掻き立てられないはずがあろうか、いやない。そりゃぁ…魚住もなぁ。
「あの頃」の回想をリフレインしながら「今」と対比させる事によって、静かに二人の繋がりと関係を印象づけてます。
そして、あーさんの「頼みというより念押し」。
ぐおおおおおおおお……!
マジで身悶えしましたわ!
なんて凄い一言だろうか! 絶妙な一言だろうか!!
最初に読んだ時はその空気と台詞の衝撃から、ただひたすら盛り上がってしまい、そこに込められた気持ちを正しく汲めてはいなかったのですが…逆に言えば、その雰囲気だけで恋愛というものに対する幻想だとか淡い思いが掻き立てられる力があった、という事です。
一晩経ってじっくり考えてみると、このやり取りはかなり深いのだと悟り、また背筋がゾクゾクするほどの感動が。
これは告白なのですが、告白ではない。決定的な一言だけど、まだ何も変わらない。そんな何気ない会話なんだけども…このやり取りが出来るという事、それ自体が答えだという…。
何も言わなくても伝わる気持ちがある。だけど、言わなきゃ完成しない。だから待ってるよ、と―。
そこには確かにお互いへの、お互いの気持ちへの信頼があるのです。
画面に流れる、静かで優しい空気がジワリと胸に染み込んでくるようで…あぁもう大好きだと! こんな恋愛してみたかったと!!
ぶっちゃけあーさんに主導権握られっぱなしだけど、だからこそ魚住頑張れと言いたくなる! その「男の子」な気持ちがたまらなくこそばゆいのです。
ほんとにもう、凄い恋愛風景を見せてくれました、きゆづき先生! ありがとうございます!! リア充爆発してしまえ!!!
今更ながら、私は夏の燃え上がるような恋愛より、静かに寄り添う冬の恋人達のが好きなんだなぁ…。