Ceramic moon Plastic stars

大体漫画とかアニメの感想を書いてます。こう、妄想が溢れそうになった時の受け皿としても活用。

映画館冷房効きすぎなのよ

ヒキコモリそうになる心をグッと堪え、観てきました「天気の子」。
以下、感想というか今の心情を殴り書きします。

 

結論としては、私のツボを突き破る作品でした。ぶっちゃけ大好き。

 

まず、「なるほど、賛否両論あるだろうな」と察しはつきます。

言ってみればこれは、様々な点で「自称『良識派』の大人が青少年には見せたくない」物語です。正直、「いい歳した大人」である私は端々の演出・物語の展開に「うわぁ、これ『大丈夫』なの?」と思ったものでした。
つまり、最近のフィクションが内在している「社会から投げつけられる批判への忖度」が感じられず、妙な危機感を抱いたのです。

 

しかしながら、最後の最後まで観てしまうと「そうか。それでよかったんだ」と演出の意図が腑に落ち、納得し。
…それから、この物語にワクワクした自分は、きっと「あの頃の気持ち」を忘れてはいないんだ、と少しだけ嬉しくなったのです。

 

確かに、無くてもいい展開、演出があったようにも思えます。逆に、説明不足な点も。
でも、それはそれ。
恐らく監督が描きたかったであろう、ボーイミーツガール、そして、少年・少女の冒険、世界と向き合う姿は十二分に描かれていたのですから、それでいいじゃないかと。そして、私は涙しました。い、いや、ちょっと涙ぐんだ程度だけどね?
そんなわけで、この作品に対して非難したい人は、「そういう作品」なのですから、黙ってテレビドラマやアニメを見る方が建設的だと思います。


さて、ここまでは(客観的に見た)マイナス点。
ここからは個人的にツボった点を。

 

まず映像が美しくて、音楽が印象的。
基本的に雨が降ってる情景ばかりですが、降り方の表現、見せ方も手を変え品を変え、興味深く、また記憶に残ります。
アスファルトで跳ねる水滴やドバッと落ちてくる水塊、そして幻想的なアレ(伏せます)。
その雨や水が人の動きに追随してくるのが美しくて面白い。心情表現にもなっているのでしょうけれど、ギミックとして使われているのがなかなかユニーク。

 

で。
とにかくキャラが良いですよね。
周りの大人達がそれぞれに個性的で一味違った魅力を持っているというか。
夏美のサバサバしたアグレッシブさ、そしてお色気がいいw
刑事二人組の「大人」としての説得力と共感できない感じ。
そして何より、須賀さんの…………ツンデレっぷりというかw 諦め上手な大人であろうとして…さて、というところがたまらなくツボです。

 

もちろん、主役の二人もすごくお気に入りで。
もう、色んな意味で「子供」。考えが甘くて周りの迷惑考えてなくて…それでも一生懸命で。自分自身の立ち位置を探していて。
帆高と陽菜、それから凪が一緒に過ごしている風景は甘酸っぱく、それでいて切なく思えたものでした。
何気に二人の声を演じた俳優さん達もイメージにしっくりくる、非常にいい演技をされていたと思います。

 

作品全体として。
物語の展開は割と「馴染みのある」ものなので、事前に予想が出来てしまう人もいるかと思います。ですが…やはり結末(というより、ただ1点の事)だけは予想の範疇を超えます。最後の最後に、驚きではなく、今までに無かった非常に大きな何かがあると思うので。


個人的には「君の名は。」より圧倒的に好き。なんだろう、大きな骨子は変わらない気がするんだけど。
なんとなく…瀧と三葉よりも、一緒に幸せになろう、っていう感じが強いからかなぁ…うん。

円盤出たら買います。

いい歳した大人が泣かされる

姪っ子達に付き添って(もらって)映画ドラえもんのび太の月面探査記」を観てきました。

 

ここ数年、映画(大長編)ドラえもんの出来が非常に良い。
上から目線で恐縮なのですが、30作以上ある映画ドラえもんの中には正直なところ微妙だと思う作品もいくつかあります。
それが惜しいというのではなく、これだけの数の作品を同じ世界観で作っているわけですから、全てが名作なんていうのが無理な話。映画館を出ながら「うーん…」と首を捻るのもしょうがない事だと思っているのです。

しかしながら、ここんとこそれがない。毎回、「凄かった」「面白かった」と感慨に震え、時には涙をこらえたり(泣いたり)しているのです。
…と言いつつ、オリジナルへの思い入れが強過ぎて、新・日本誕生は観ていないのですが(苦笑)
少なくとも、「南極カチコチ大冒険」、「宝島」は手放しで絶賛できますし、今回の「月面探査記」も素晴らしかった。いやもう、ほんとに大人から子供まで楽しめる作品に仕上がっていたと思います。
(個人的には「宝島」の方が好きですが)

 

で、いくらか細かく感想を書いてみるのですが…。
…まず、「映画ドラえもん」を観るにあたって私が面白いと判断する最低条件があります。
それは脚本が面白いとか作画が良いとかではなく、「レギュラーメンバーの5人全員が活躍している事」。

毎回毎回魅力的なゲストキャラが登場するのは当然ですが、しかし「映画ドラえもん」は「あの5人が冒険をする」事に意義があるのです。なのにのび太ドラえもん以外には特にスポットライトが当たる事もなく、その個性を生かした見せ場もない…なんて話では本末転倒甚だしい。
しずかちゃんは優しく癒しキャラでお風呂に入らなければならないし、スネ夫は小心者だけど勇気を見せるし、そしてジャイアンは劇場版のジャイアンでなければならないのです。

 

そういう意味で、今回の3人は完璧に見せ場を作ってくれました。
特にジャイアンの激高は素晴らしかった。声優さんの演技・演出も素晴らしかったですが、そこに至るまでの段階の踏み方が実に素晴らしい。…まだ11歳の少年が「友達を救えない悔しさ」に吠える、ってのは物凄い事だと思うんですが、それが出来るのがジャイアンであるし、「ドラえもん」という世界なんだなぁと。

 

また、上手いと思ったのはスネ夫の心理描写。
本人や他の誰かに語らせて説明するのではなく、表情と演出で彼の気持ちを描き、そこから行動に繋げているのでとても自然。テンポを乱さずサクサク話が進みます。…というか、「そういうの」ってアレコレ言葉で触れるのは無粋やん?

 

もちろん、のび太も大活躍。いやむしろ、この子の特異点っぷりってどういう事なんだろう。いろんな事件が彼のところで収束する感じが凄い。
そういうメタ的視点はさておいても、のび太の言葉がルカ達に染み込んでいく感じに嫌味がないんですよねぇ。「のび太のくせに」かなり重要なポイントを突く発言や行動があるんですが、「あぁ、そうだよなぁ」って納得させられます。
長年培った「そういうキャラ」という前提故なのか…どちらかと言うと声優さんの演技力のような気がします。

 

今回の脚本もドラえもん(というかひみつ道具)は万能ではなく、ギミックとして実に上手く活用されてた印象。…重大なキーアイテムである「異説クラブメンバーバッジ」の概念が難解ではありますが(苦笑
劇場を出る時、すれ違ったお父さんが「異説と定説っていうのは…」と息子さんに説明してたのが大変だなぁと思いつつ、微笑ましくも思えたものでした。

 

…というか、正直今回はゲストキャラのルカが強過ぎた。
謎のスパッツ美少年だけで強烈なのにのび太との交流、やり取りが実に……尊い。中盤のあのシーンはまんまと泣かされましたねぇ…。
…いやもうアレですけど…最後のアレは、ホント……腐る(爆笑)
特定のおねーさんとかはたまらないんじゃないでしょうか、アレ。

ルカだけじゃなく、姉のルナ、キーパーソンのアルといい今回のゲストキャラは誰もキャラが立っててほんとに素晴らしかったですね。
特にルナさんはサービスシーンもあって(黙れ腐


そんなわけで1時間50分、ずっと楽しい映画でした。
姪っ子達もずっと食い入るように観てましたから、どういう観方をしてもきっと面白いんだと思います。
ほんとオススメなのでぜひ皆様も。


余談。
同席してた妹が鑑賞後、「のび太の部屋の間取りってあんなんだったっけ?」「学校ってあんなに広かった?」とか言いまして。
…非常によくわかる疑問ではあるのだが、その観方は映画鑑賞の魔道だからおすすめしないな、ぼかぁ(すでに堕ちてる身

「新宿Private Eyes」のネタバレするよ!

今作において一番残念な点は、「海坊主がトラップを使わない」ってとこなんですよね。重火器使い、パワーファイターって感じで終わっちゃったのが惜しい(いや、十分カッコイイんだけども)。
対ドローン戦においてはドヤ顔芸を駆使し過ぎて笑いを取る方向にフルスイングしてるな、という印象。
むしろアレだけドヤ→ピンチを繰り返して引っ張ってきてるわけだから、ピンチを装いながら見事に罠に誘い込んで、
「ふん! 所詮ゼンマイ仕掛けにトラップは見抜けねぇか。海小坊主の方がよほど働くぜ(?)」
とか何とか言わせられたんじゃないかなぁ。

 

香がふんだんにトラップ仕掛けてたから尚更残念。…いや、改めて見たらどういう仕掛け方したらあんな物騒な…と苦笑いしたけどw

 

あと、飲み屋のゲンさん、亜衣を任されてんだからあんな簡単に外に出しちゃアカンやろと。…定形美だとわかってはいるけど一応w

 

あ。そうそう。てっきり眼鏡が(バトル的な)ラスボスかと期待してたのもありますねぇ。…ガンタコなんやってん。素人ではないという伏線どまりだったのかなぁ。もったいない。


思い返してみるけど不満点はそのくらいかなぁ。…都バス防弾性高過ぎやろとかおとーさん娘と別居してたのにどうやって網膜パターン登録したんとか…(うるさい)。


と。
どれだけ細かいとこツッコんで見たところで、「エンジェルボイス」が流れてきてしまうと「おぉっ?!」ってなってしまうし。
ちょっとパワーダウンしたかなぁと思ってた獠達の声もあっという間に慣れたし。

 

とりあえずモスト萌えというか尊いのは、やっぱり香のドレス姿とそこに至るやり取りですよねぇ。
まず、普段ボーイッシュでともすればガサツとすら見える香が、「客観的には」(<ここ大事)モデルを凌ぐ美人であると描写。
騒ぎ経つ周囲。ただ一人平然と眺めている獠。…御園との比較が実にいいですよね。
「いつもと変わらないだろ」の尊さ! そしてすれ違う(風)二人! そう! これですよこれこれ! この二人の距離感、素晴らしいとしか言いようがない!
もうわかってるけど分からないふり。言葉にしなくても分かる…というより、言葉にしない今の関係が大事過ぎて変われない、って感じがもう。
そりゃ、周りから見てたら「結婚しろよお前ら!」って気分になるよねぇ…。毎回ゲストにそう思わせるとこまで含めて、シティーハンターの定形美w

 

それから海坊主関連、兎に角面白い。
海小坊主絡みの涙もろさは定番の流れなんだけど、オーナーに対するへりくだり方が最高!
強面と紳士的な内面や、美紀とのこっぱずかしいやり取りといったギャップ萌えはお約束ですが、それでも海坊主という男はプライド高く男らしいヤツだと思って見ていたわけですよ。…それがこのザマよw
躊躇なくスムーズな土下座っぷりに感動すらしました。「…ツッコミ早くないッスか」のメタ台詞もあって、もう…w
正直、笑いという点では一番面白かったですね。
ゲストキャラであるキャッツの3人を世界観を壊すことなく、かつ最大限に生かした展開は脱帽ものです。

 

兎に角獠が強くてカッコイイ戦闘シーンは見どころばかりですが…何気にパイソンを温存してるのが憎い。
恐らく、作中の設定ではなく演出として使ってないのだと思いますが、四方八方から押し寄せるドローン、弱点のローターを防御されいよいよ追い詰められた…と思ったところで抜く伝家の宝刀! 確かに威力はあってもそれだけで形勢逆転は無理…と演出した上で、神がかった技術で次々にドローンを撃破していく姿は燃える! 燃えるしかありません!!
ショットガンはショットガンでパワフルさを感じてよかったですが、やはりパイソンなんだよねぇ、うむ。

 

そしてED。
「Still Love Her」が流れた時は「おおおおおお…!」ってボルテージ上がったよね。
しかも今の絵であの二人の日常を描くという、オリジナルを踏襲した演出…素晴らしい、素晴らし過ぎる…!

 

どうにもこうにも大好きさが先行してしまって客観性がない楽しみ方になってしまっているのですが…ホントに「シティーハンターらしいシティーハンター」でしたよ。
これ、ふつーにテレビシリーズでまたやれるんじゃ? って贔屓目抜きでも思いますし。

 

…あ。いや…テレビはやっぱり無理かな。今のご時世、もっこりが…(苦笑

ほー、こういうのでいいんだよ、こういうので

休日に早起きという高難度クエストをこなして観てきました。「劇場版シティーハンター 新宿Private Eyes」。
評価としましては、すっごい厳しく点を付けて、100点満点の100点。

 

ネタバレされてるツイート置いておきますね>https://twitter.com/hirob0911/status/1094450043682119680

 

なんだかんだ言ってすでに本放送から20年経ってるわけですよ。オリジナルスタッフが終結! って言っても時の流れは確実に過ぎているわけで…。
正直なところ、声優さんの声も「……あれ…?」と感じる事もありました(あえて観直してないので記憶との比較ですが)。
当然キャラデザだって違うわけでね。何か今風のちょっとスッキリしてる感じですよ。「あの頃」を完全再現とはいかないのが現実です。

 

更に〇〇〇の〇〇〇〇を〇〇〇〇描写がないって言うのも痛い。彼の見せ場が…アレだけ前振りはしてるんだから、むしろそれしかなかったと思うんだけどなぁ(「弟子」はしっかり活用していたけども)。

 

それからこれはもう無粋なツッコミですが、流石に機銃掃射を主人公補正だけで避けてる感が強い。
1、2シーンくらいならしょうがないかなぁと思うけれど、結構そういうシーンが多くて幾ら何でも敵が当てる気ないんじゃないかとすら。もっと細かく遮蔽に隠れるとかしないと…とか思うけど、これはもうそういうものだと割り切るべきものなんでしょうねぇ。

そういうとこがどうにも難点ではあるよね、と。


…と、自覚した上で、それでもなお最高だった!

 

作品に対する思い入れやノスタルジーを排して…と言いたいところだけど、正直無理。
というか、余りにも「僕が大好きなシティーハンター」を完璧に叶えてくれていて、その辺の嬉しさを拭う事が出来ない。

まさに「ほー、こういうのでいいんだよ、こういうので」。
余計な事(アレンジや追加要素)をしないで原作が持つ魅力を真摯に、かつ純度を上げて描いているのが、ほんとに素晴らしいという他ありません。

 

あぁいや、あえて余計な事をしていると言えば、「話(トラブル)を大きくし過ぎている」ってとこですか(劇場版の意味…)。
個人的には獠に世界を救ってほしいんじゃなくて、依頼人を救いながら香や海坊主達と丁々発止のやり取りをし、ついでに街のトラブルを掃除してくれる程度でいいんですよねぇ…。

 

それから、これは余計な事ではありませんが、今回の追加要素(新設定)のあの人達。非常に…非常においしかった! その登場自体が大きなファンサービスである事もあることながら、話への組み込み方が上手くて…正直、今作で一番面白いシーンでしたw

 

そしてアクション全般は見どころばかりで非常に楽しかった(上で主人公補正がどうのと言ったのは)。
もちろんガンアクションも良かったんだけど、兎に角蹴り。男が見ても憧れる長い脚をブンブン(いや、もっとシャープな効果音になるけど)振り回して、野郎どもを蹴り飛ばす爽快感が癖になります。

 

で。
「これだよこれ」っていうのはどういうとこかと言えば……ファンが求めてる事はほぼ叶えられてるんですが、その中で個人的にツボなのはやはり「獠と香の距離感」でしょうか。
もうねぇ…ファンの方ならわかってるとは思うんですが、この二人だからこその独特の距離感って言うのが見事に描写されているんですよ。「そうそう、そうだよなぁ…」っていう、自分が抱いているイメージがまた画面で見れるこの贅沢さ、ですよ。

改めて、この二人のパートナーとしての関係って素敵だなぁと再確認した次第。

 

脚本もほぼ文句なし(上で余計な事云々言うて)。
登場すべき人が全て登場し、そして皆見せ場がある。当たり前のようですが、これかなり凄い事だと思います。
だってまさかあの人まで出てくるとは思ってなかったよ? そして確かにこの人が出てこなきゃいけないな、という説得力。

 

そしてBGM。
当時はそこまで気にしていませんでしたが、今になるとシティーハンターはテーマ(J-POP)とかなり強烈に結びついていたんだなぁ、と。
ネタバレでも言われてますが、EDで「Get Wild」が流れるのはもちろんとして、いきなり冒頭からあの曲が流れ容赦なくテンションを上げられる。更に要所要所でテーマが挿し込まれ、懐かしさと共に「あー、やっぱりかっこいいなぁ」と。どれもこれも好きな曲なんですよねぇ。
…個人的に、EDはもうツボるしかない。
正直、「Get Wild」は最低条件なんですよね。「そこから更に」をやってくれたのが嬉しくてたまらない。更に曲だけじゃなく、あの演出。大好きだったんだよねぇ、あの空気感が…。


そんなわけで。
恐らく、初めてシティーハンターを観る人でもきっと面白いはず。
コメディハードボイルドアクションとして十二分の出来ですし。
そして、シティーハンターが好きだった人、現在進行形で好きな人は絶対見る価値がある。見ない理由が皆無です(断言)。

あぁ、もう1回観たいわー。

 

余談ですが、「彼」の声、ビジュアルだけだと櫻井(孝宏)さんのイメージでしたw

見たい映画は30分以内で行ける範囲で上映されてほしい。

というわけで、片道2時間弱かけて映画観てきました。…気軽に観に行くって感じじゃないのが辛いとこよね…。

で。まず1本。
アリータ:バトル・エンジェル

ちなみに原作はチラッと読んだことがある程度。話の大筋は全く知りません(少なくとも映画で描かれてたエピソードはまるで知らない)。


安易に言うなら、「アリータ萌え」です。


「超強い小柄な美少女が、ゴツくてデカいサイボーグ達を縦横無尽にぶっ飛ばす」という言葉がどれほど魅力的であるか。そして実際にそれをやって魅せられるとどれだけ楽しいか。


カンフーアクションや殺陣はアクションの基本と言えますが、CGを使って「人知を超えたサイボーグの力とスピード」でやるため非常に派手かつ爽快感が大きいです。
また、CGで描かれた機械やサイボーグの動きが自然なのもポイントが高い。…なんせ、完全に機械にしか見えないアリータの腕や足が人間の動きと全く遜色ないのですから。
そのCGという点で特徴的なのが、とりもなおさず主人公・アリータの目の大きさ。原作準拠、更にサイボーグであることの表現としてあえて大きくCGで描かれているわけですが、これがまたリアルとフィクションのギリギリな境界の表現となっており、瞬きや視線移動の自然さもあって、リアルの役者達と同じ画面にいても全く違和感がありません。むしろ魅力的。……多分に私が二次コンで目の大きな女の子に慣れているからではあるのでしょうけれどもw

 

と、アクションや世紀末なSF世界など視覚的な面ばかりを上げてきましたが、脚本としてもなかなかの出来。
記憶を失ったアリータが記憶を取り戻すために、そして自分を取り巻く人々のために戦う意思を固めていく流れが非常に熱い。もちろん、彼女本来の素質もあるのですが…。
特にDr.イドとのやり取りが、心配性のおとーさんと思春期の娘って感じで実に微笑ましくもじれったいw 最初っからヒューゴを警戒してるもんなぁ…(苦笑
そう、ヒューゴはねぇ…。いきなりいいヤツだったのになぁ…。

 

そんなこんなで非常に楽しめる1作でした。
まだまだ話は続きそうですし次回作があればまた観たいですね。

なんだかんだでメカ少女がボディスーツ姿で戦うのはエ(以下略

ずっと一緒にいる事だけが愛ではないと。

(痛々しいSSから始める暴挙)

 

「あー、お願い神様ー! 次はちゃんと勉強するから今度のヤマだけは当てさせてぇー」
今回赤点だったら冬休みを全部補修で潰すことになるはっすが、青白い顔で天を仰いで言った。
前日までファミレスでダベりながら見せていた余裕はどこへいったんだろう。今回に限ったことじゃないけど。
「そんなこと言ってる間に単語の一つも覚えたらー?」
「もういっぱいいっぱいだよぉ…口から英語があふれてきそう」
「それ、良い事なんじゃない?」
「筆記の役には立たないーぃ」
「どーでもいいから暗記暗記。神頼みなんて叶わないんだから」
「うぅ…助けて神様ーぁ」
机に突っ伏した友達を横目に、窓の外を見る。雪はまだやみそうにない。明日はもっと降るのかな。久しぶりに晴れたらいいな。

…そう、神頼みは絶対叶わない。
私達は知ってる。この世界に怪獣とヒーローはいても、神様はいないって―

 

******

 

SSSS.グリッドマンという作品は実に考察のし甲斐があるというか、あえて名言していない設定や描写されていないシーンがあるので、そこんとこをアレコレ考えるのが実に楽しい。ついつい考えたくなる魅力に満ちていました。

 

…のですが。

 

あえて、「あれはこういう意味で」、「そんな意図があった」、「実は…」…なんて事は語らずに、きっちり描かれた事について私が感じた事を書き殴ります。


まず、最終回を観終わって「……うわぁ…これは一体…いったい何なんだ…」みたいな感覚に陥ってました。間違いなく凄いものを見たんだけど、何が凄かったのかよく分からない…というような。
色々な点で私に刺さる、悲しかったり切なかったり、熱かったり。萌えもするし、憎くもあった。でもこのツボにはまる感じは…。

 

と、TwitterのTLで「帰ってきたドラえもん」のパロディをやってるイラストを見まして。…あぁそうか、これは私が愛してやまない「さようならドラえもん」と同じなんだ、と。
他の作品と比較して評価するのはどうかとも思うのですが…。
旅立つ人、残る人の構図は逆とはいえ、大好きな友達が背中を押してくれる、大好きな友達のために別れを選ぶ…そんな成長の切なすぎる一コマ。
一緒にいたいけど、一緒にいちゃいけないと自分で、自分たちで決める勇気が美しく、そして羨ましいな、と。
一人、ポツンと座る部屋の寂しさが胸に染みるのです。陳腐な言い方ですが、六花達は一つ大人になったんだな、なんて。

 

確かに、「帰ってきたドラえもん」のパロディをやりたくなる気持ちは分かる。それがどんなに嬉しいかも。
でも、それが叶わないからこそ彼ら・彼女らの選択は美しいわけで…あぁ、悲しいなぁ。


離れていても、それこそ次元という決定的な隔たりがあったとしても、そばにいてくれると信じられれば、きっと。

 

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「辛いのは今だけだから。頑張ろうよ」
「うううう~! もう、絶対絶対テスト終わったら遊びに行くからね! 行先決めといてよね!!」
「行先かぁ…」
そういえば、今朝何気なく確認した路線図。昨日までなかった隣の市への路線が増えていた。…世界が…あかねの心が広がっているんだ。
頑張れ。ずっと一緒だから。私も、頑張るから。

 

「…海外とか行っちゃう?」
「英語やだぁ…」